カリーヌ・ロワトフェルド インタビュー on Vogue Russia, Dec 2009

若さはエネルギーにあふれている、自分らしく歳を重ねた人は笑顔と自然なまでのエネルギーを湧き出させることが出来ちゃったりする。カリーヌ・ロワトフェルドのインタビューを読む理由の一つは自分らしく生きることを肯定したいからと、カリーヌの笑顔をみたいこと。気が抜けてるんだか、深みがあるんだか、そんなインタビューを読んでいると身体の力が抜けていくから好き。個人的には最後の箇所まで読むといいな~と思います。

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Photo credit: Dusty J via Visual hunt / CC BY

分かっちゃいるけど、分かっちゃいるけど、言葉にできない~。でもやってみよ~う~。

Vogue Russia でのインタビューです。

カリーヌ、来年は二つのお祝事がありますね。Vogue Paris の90周年とあなたの編集長としての10周年です。編集長をしている間に犠牲にしなければならないことはありましたか?
幸運なことにわたしは早くに子供を産むことができた。Vogueでの仕事をオファーされたとき、子供たちはすでに大人になっていた。子供たちとの時間を逃したとは感じないし、仕事のために何かを犠牲にしなければならなかったとは感じないわね。家に帰らなければならないことはないし、看護師が来るまで待つこともない。ひとかけらの罪悪感もないわよ。

Vogue Paris において最も重要なものは何でしょうか?
フランス産ということ。わたしたちはファッションの世界で生きている。そして、わたしたちは「こうあるべき」という自分たちの考えをもっている。

ちょっとコレクションの数が多すぎだとしてもですか?今では数多くのコレクションがありますよね。プレタプルテ、クルーズ、クチュール...ちょっと多すぎませんか?もっと厳選される時期にきたのでは?
重要なことはブランドというものは自身のDNAによって成り立っているということ。例えば、誰もが Max Mara の素晴らしいコートのことは知っている。彼のショウでは、一着の平凡なイブニングドレスをみるよりも、15着の素晴らしいコートをみたいの。イブニングドレスだったら、わたしはバレンチノをみに行くし、良いバッグということであればわたしにとって長年良いバッグであり続けているエルメスをみに行くわ。ドルチェ&ガッバーナの最新のコレクションを考えてみて。シチリアの未亡人、美しいモデルたちに美しい服。これこそ彼らのDNAよ、ドメニコ・ドルチェステファノ・ガッバーナのベストを尽くしたものだわ。

自分たちのDNAに目覚めていない若いデザイナーについてはどうですか?
それは単に時間の問題ね。若いデザイナーのエネルギーは大好きよ。アレキサンダー・ワンはまだ25歳だし、いくつかのコレクションを控えている。彼は美しくて、エネルギーに溢れていて、女の子は彼に憧れる。それにシャンパンを飲んで、仕事にとりつかれてもいない。彼のシャツは、最高ね。アメリカではデザイナーに良く売れるものをつくるよう教えるのよ。

フランスでもそうですか?
フランスではデザイナーは服の作り方を教わるけれど、売りはしないわね。良いデザイナーたちがいるけれども、ほとんど知らない。次のFashion Night Outで若いデザイナーたちと何かしたら素敵でしょうね。彼らの力にもなると思う。

キャットウォークで新しいトレンドを発見したら、自分のワードローブに取り入れたいと思いますか?
もし気に入ればね。わたし、トレンドを追うようなことはしないの。自分のスタイルを知っているし、何が好きなのかも知っているから。

今までに着たことのないものはありますか?
ミニ・スカート!

毛皮は着ますか?
ほとんど着ないかな。PETAうんぬんではないわよ。興味がないだけ、今年は毛皮を着たいとは思わないだけよ。
注)PETA=動物の倫理的扱いを求める人々の会

ところで、最初となったFashion Night Outは楽しみましたか?
もちろんよ!モンテーニュ通りは人でいっぱいだった。若くて、ファッショナブルで、きれいなみんな。ショップからすれば新しいお客さんの世代と知り合ってハッピーだったし、Vogue の読者からすればカール・ラガーフェルドやジャン・ポール・コルチェのようなヒーローに会うことが出来たのよ。次回はもっと良くなるわ、絶対にね。

Vogue Parisで働いている人は何人ですか?
考えたこともないわ!

今、心配事はありますか?
気にかけているのは家族のことだけ。子供たち、友人、両親、残念ながらそれほど長くはない。それ以外のことは意味がないわね。わたしはうんと仕事をするけど、Vogue のことで悩まないよう学んできた。うん、感情を抑えるとかね。わたしはショウに遅れてしまうこともある、けれど世界が終るわけじゃない。ささいなことで悲劇をつくりだしたくはないの。そうすれば日々の生活というのは十分なのよ。もし仕事を失ったとしても、新しい仕事を懸命にさがすために一生懸命仕事するだけよ。

批評に対してはひどい反応をしますか?
もし個人的に批判されるなら、ブログだとかね、それは気にしない。雑誌を批判したり、わたしの言いたいことを誤解されたりしたら、それを切り抜けるわよ。あまり世間に知られていないときは、批判に反応しないことに慣れるものよ。子どもたちと夫は一番の批評家よ。彼らはわたしに対して正直なの。たくさんのアイデアをくれるし、わたしは彼らを信頼しているし、彼らの言うことにとっても感謝している。

お子さんは成人されて独立されてますよね。。。
ええ。彼らには彼らの生活がある。ジュリアはデザインの仕事をしている。ロバート(Robert Konjic)と付き合っている。黒髪のハンサムな男の子、10年前にはグッチのモデルをしていた。ウラジミールはアートビジネスをしている。ニューヨークでやった、Nicolas Polの展示会は成功しているし、絵は全部売れたの。今はミランで別の展示会をしている。わたしからお金をとるようなことはほとんどないのよ。彼はジョヴァンナ(Giovanna Battaglia)と付き合っているの。昔から彼女のことは知っている。でもウラジミールはまだ24歳だし、奔放にやれる時間があるもの。

彼はハンサムで頭が良いですね!彼が誇らしいでしょう。人で悩むことはありますか?
信頼している人に背中を刺されるときね。わたしはそれ程強い人間じゃないもの。

破ってはいけない鉄の掟はありますか?
絶対に人のポケットに手を突っ込まないこと。この一線だけは越えたくない。

朝起きると何をしますか?
午前7時に考えることはただ一つ。あと10分寝ていたいか、ベッドでころげ回ること。でも起き上がらないといけないからね。ヨガが寝起きを助けてくれるの。土曜日にはちょっと遅くまで寝て良い事にしているの。日曜は夕方までOKなの。

ハンドバッグには何が入っていますか?
バッグはもたないの。ブラックベリーがポケットに入っているわね。あとは、仕事用のスペアのメガネと化粧品と櫛かな。メイク直しはしないのだけれどね。

本はたくさん読みますか?
パリではたいてい読まない。読んだとしても新聞か雑誌くらいかな。本は休暇のときにだけ読む。

映画は?
パリではほとんど毎週末、ランチの前に映画に行くわ。儀式のようなものね。お気に入りのジーンズ(10年ものよ)を履いて、ヒールの低いブーツ(これも10年ものよ)を履いて、そして映画に行くの。タランティーノイングロリアス・バスターズのような最新作が好きよ。

生きている人でも亡くなった人でも良いのですか、話してみたい人はいますか?
ジョージ・クルーニートム・フォードとディナーしたい。ところで、トム・フォードの映画観た?

ファッションブログは読みますか?
たいていの場合、ブログは読まない。でも何が起こっているのかは知っているわ。おそらく将来的にはブロガーはわたしたちの為に仕事してくれるわね。

ツイッターのアカウントをもっていますか?
いいえ。

友人や家族とツイッターをしないのですか?
しないわね。重要性は分かっているわ、でももっと良いものにして欲しい。

クリスマスには何が欲しいですか?
プライベートジェット!

ええ、本当ですか?
ふつうじゃあり得ないけど、誰かがくれるかもしれないわよ、夢見ちゃいけない?わたしプレゼントをあげるよりも、もらう方が好きなの。

男性に求めるものはどんなところですか?
以前、わたしは合わない人と一緒で幸せではなかった。信頼があって、貞節であることはわたしにとってはとても重要。ユーモアのセンスとセクシーなこと。何も理想の身体のことではないわよ、でも何か煌めくものがあると良い。それとブルーの瞳かな。冷たいブルーの瞳にはとてもセクシーな何かがあるもの。

ロシアに来ることになれな、ブルーの瞳をした男性が沢山いますよ。幸せですか?
落ち着いてね。カフェで友達と一緒に座っているだけで幸せよ。いつも幸せでいることはできない、だから幸せな瞬間には感謝しようとするべきなのよ。

途中は訳分からんけれど、最後には、すばらしい言葉をのこすという良いインタビュー!!

カリーヌは何気に Harper's BAZAAR の仕事も始めたみたい。