Noel Gallagher is GOD

去年に書いたものですけど、よくよく考えたらこういうことなんだ、と思いました。つまりは「優れたアーティストは真似る。偉大なアーティストは盗む」というピカソの名言?の通り、ノエル・ギャラガーは良い曲を作るコツを盗むことが出来る人だってことです。

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Photo credit: alterna2 via VisualHunt / CC BY

2009年8月に、もうやりきれなくなりノエル・ギャラガーが脱退する形でひとまずオアシスは18年の歴史に幕を閉じた、たぶんひとまずなんだろう。リアム・ギャラガーはアンディ・ベル、ゲム・アーチャーと新しいバンド、Beady Eye を結成して活動してる。そんな Beady Eye はビートルズのの Across the Universe をカバーした。

ずっとオアシスというのはリアムの声と良い曲があれば成立するもんなんだと思っていたけど、どうも違った。

Across the Universe でリアムの声はいつもの通りリアムの声で、世界中で誰よりも歌が上手い訳ではないけれど、世界中で一番レコードに残すに値する声だった。でも、何かが違う。「Supoersonic」「I need to be myself」と歌う時の恐れのない声がどこか陰を潜めていた。リアムの声は自信があるというレベルじゃあない、恐れを知らないレベルだ。その声が遠慮しているように聞こえたのは何故だろう?と思った。

基本的に、どんなダサイ服もリアムが着るだけで様になってしまう「存在感」と、ある種の「近寄り難さ」がリアムにはあって、それが神々しさを漂わせていた。世界中であらゆる問題が起こっても、彼の周りだけは問題など何もないって感じ(問題なのは自分自身と兄貴くらい)。だから、リアムに言わせりゃ「コールドプレイなんて会計士にしか見えない」ってもんなのも納得。そこらのロックバンドよりも圧倒的な存在感があるんだけど。ダニエル・ラドクリフなんか公務員にしか見えないじゃないか。映画スターなんだぞ。

<この服でこんなに格好いいのは世界中でリアムだけ、何も怖くない歌い方>
埋め込み無効なのでyoutubeで見てね

Oasis-Supersonic TV Debut


それにしても、Across the Universe の違和感はどこから来てるのかなと思うと、それはノエル・ギャラガーがいないってことに尽きた。実際のところ、ビートルズの曲はプロのミュージシャンなら、技術的にはカバーするのは難しくはないと思う。でも、曲の持つエッセンスを掴んで表現するのは至難の業なのかもしれない。ボノ曰く「彼ら(ビートルズ)はあらゆるものを取り入れて、自分たちのオリジナルなものとして表現することが出来た」らしい。

成るほど、成るほど。

ノエル・ギャラガーのいるオアシスはそれが出来ていた。I Am the Walrus はオアシスの I Am the Walrus として演奏出来たし、My Generation はオアシスとしての My Generation として演奏出来た。

何となく雰囲気ということで、あくまで個人的な感想だけど。

きっとノエル・ギャラガーは曲の持つ「キモ」、その曲が人々に訴えかける「何か」を感じ取って掴むことが出来るんだろう。どんな曲もリアムが「あの声」で歌えば名曲になる、と思っていたけれど、その前段階の作業でノエルが曲の持つエッセンスみたいなものを抽出していたのかな、と思う。ノエルが抽出したエッセンスと言える「何か」を詰め込んで作った曲を、リアムが「あの声」で届けるのがオアシスなんだろう。

そんな訳でかどうかは分からないけれど、リアムとノエルが別々にライブをやると男しか集まらない。もともと、オアシスのライブなんて男ばっかなんだろうけど、更にそれが増してる。。。

やっぱ、二人でやって欲しいよ、ほとぼりが冷めたらさ。土砂降りの雨でもオアシスの為なら何万人でも集まるさ。それこそがロックバンドの役目だもの。

埋め込み無効なのでyoutubeで見てね
Oasis - Jools Holland - 6th Dec 1994 - I Am The Walrus


良い曲を書くには、良いメロディを書くことだったりするかもしれないけれど、人の心に届く「何か」を感じられることが、前提としてあるように思う。

だから、Noel Gallagher is GOD. なんだろう。

だって、殆どの曲は同じコードしか使ってないんだぜ。以前にインタビューで「俺はコードは11種類しか知らない。俺がそれ以上覚えたら、とんでもないことになるぜ」と言っていたけど、まんざらでもないし、彼には覚える気もない。

やはり、Noel Gallagher is GOD. だと思う。

<付録>
オアシスしてビートルズの曲を3曲カバーしている。内訳はこんな感じ。

■ I Am the WalrusーLiam Live Cover)
■ You've Got to Hide Your Love Awayー(Noel Acoustic Cover)
■ Helter Skelterー(Noel Studio&Live Cover)