「Noel Gallagher is God」を叫びまくりたい人には関係ないかもしれないけれど、ある本を読んでノエル・ギャラガーも人間だったんだって思えた。この本が全て真実なのかは分からないけれど、受け入れやすい事実が多いのではないかと思う。2013年に読んだ本の中で一番面白かった。
Photo credit: pacomexico via Visualhunt.com / CC BY
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「Oasisの真実」という銘打った本だけれど、もっとふさわしく言えば、「ノエル・ギャラガーのビッグマウスの真実」と言った方がいいかもしれない。書いたのは、トニー・マッキャロル。Oasisの最初のドラマー。
ドラムが下手くそだから、とかリアムと喧嘩したから、とか訳の分からない理由でノエル・ギャラガーによりOasisを首にされてしまったトニー。そのトニーがOasisの成り立ちから、レコード契約、デビュー、世界ツアー、「Some might say」で全英1位を獲得するまでの軌跡をトニーの目線で語っている。
そこには未だに語られていない事実も多くあるし、もうそれは知っているよ、な事実もある。そしてリアムやノエル、ボーンヘッドもギグジーも友達としての目線で登場する。本当の事実は本人たちが決めることだろうけれど、トニーの側からみた真実がここで語られている。
ドラムが下手くそだから、とかリアムと喧嘩したから、とか訳の分からない理由でノエル・ギャラガーによりOasisを首にされてしまったトニー。そのトニーがOasisの成り立ちから、レコード契約、デビュー、世界ツアー、「Some might say」で全英1位を獲得するまでの軌跡をトニーの目線で語っている。
そこには未だに語られていない事実も多くあるし、もうそれは知っているよ、な事実もある。そしてリアムやノエル、ボーンヘッドもギグジーも友達としての目線で登場する。本当の事実は本人たちが決めることだろうけれど、トニーの側からみた真実がここで語られている。
- デビュー前に50曲は持ち歌があった
- “チーフ”としてバンドを仕切ることを約束にバンドに加入した
- 争奪戦の末にクリエイション・レコードと契約した
そういったノエル・ギャラガー伝説への示唆が多くちりばめられている。ちなみに曲をパクるクセは昔から。個人的にはそれでいいんじゃないかと思う。
でもこの本で重要なのはノエルのビッグマウスの真為をいちいち確認するところではないと思う。実はトニーの視点から見たOasisを眺めることによって、ノエル・ギャラガーの凄さが良く分かる。トニーはいいやつで、筋を通す性格の強さも持ち合わせているし、頭もそこそこ良い。でも決定的にノエルとは人種が違う。どちらが良いか悪いかではなく、ただ違う。その違いを感じながら味わうことが出来るので個人的にはとても良い本だと思う。ノエルが前人未到の地に足を踏み入れようとする傍らで、頼りになりそうなバンドメンバーがリアムだけだったのもうなづける。
基本的にOasisよりも良いバンドはいたと思う。もっと演奏が上手くて、もっとキャッチャーな曲を書けて、素晴らしいライブが出来るバンドは今でもたくさんいると思う。でもそういったバンドが必ずしも成功出来るわけではない。では、他のバンドと何が違ったのかそれは二つある。
身も蓋もないけれど、究極的に突き詰めていくとこれが全てだと分かる。最高のフロントマンと、ノエルの揺らぐことのない成功への決心がなければOasisはこれほどのバンドになることはなかっただろう。でも、ノエルの目標を定めてそこへ向かう姿勢がOasisの重要な要素であったのは間違いない。
でなければ、いくらリアムがいようともマンチェスターの グッドバンドがOasisだったと思う。
でなければ、いくらリアムがいようともマンチェスターの グッドバンドがOasisだったと思う。
ノエルに首にされた男が語った本なので、ノエルに対しては少々辛いとこがある。でもそうした辛い表現が見られたとしてもノエル・ギャラガー観は揺らぐことはなかった。だって最初から分かっていたようなことばかりだし、自分を隠しきれないからノエルは愛されているんだから。ノエルの野望についても触れられているけれど、それらは心に火をつけてくれるし、なんて言ってもOasisなんだからそれ位ないと困る。
そしてこの本を読むと、何がOasisを成り立たせているのか、それが良く分かる。そして何故リアム・ギャラガーがこれほどに愛されるのか、その理由もこの本を読むと良く分かる。何故3rdアルバムの「Be Here Now」が上手くいかなかったのかも良く分かる。そしてOasisが最初から何処を目指していたのかも良く分かる。
ただひと言、ノエルすげぇ!!
そして、何故Oasisがこれほどまでに長い間愛され続けているのか、その理由が良く分かる。これまで漠然と「何でこんなにOasis好きなんだろう?」とだけ抱いてきた感覚のこたえの一つがここにはある。そう、Oasisの真実がここにある。
ネタバレはしたくないので、良かったらぜひ読んでみて!!日本語訳はないのです。でも雰囲気でいけると思う。
ちなみにノエルがどうやって作曲をするとか、「Live Forever」をどうやって書いたとか細かい記載はないです。ある日、突然ノエルが「Live Forever」を持ってやってきます。そこは真実みたい。
そういった細かい部分を期待する場合には、この本を読んでも肩透かしをくらうだけかもしれないです。昔からOasis好きでノエルの発言覚えちゃってるぜ!!的な人はすごく楽しめると思う。
そういった細かい部分を期待する場合には、この本を読んでも肩透かしをくらうだけかもしれないです。昔からOasis好きでノエルの発言覚えちゃってるぜ!!的な人はすごく楽しめると思う。
ちなみにリアムがすごく普通な人として描かれているので、なんかいい。