MUSIC: リアム・ギャラガー また史上最高のフロントマンに

2010年、Qマガジンによる投票で史上最高のフロントマン(The Greatest Frontman Of All-Time )に選ばれた元オアシス(Oasis)、今はビーディー・アイ(Beady Eye)のフロントマンのリアム・ギャラガー(Liam Gallagher)。そんなリアムが「また」史上最高のフロントマンに選ばれました。今回は、Xfmが選ぶ史上最高のフロントマン(Xfm's Greatest Frontmen Of All Time)に選ばれました。この投票は Xfm のリスナー投票により行われ、なんとリアムは二位のフレディ・マーキュリーにダブルスコアの差をつけて一位の座を獲得したそうです。

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Photo credit: freschwill via Visualhunt.com / CC BY-SA

Xfmの人がリアムに受賞を告げると、彼は特に驚きもせずに、それは当然の結果だと思っていたとのこと。

「最高のフロントマン?そんなことは知っているよ!そこら中にいるものじゃないからな。偽物ならそこらに沢山いる。とは言え、投票してくれた連中と受賞したことには感謝していると言うよ。良いもんだからな」

これまでにギタリストや他のサイドメンバーでいるという考えに興味を持ったことがないのか聞いてみた。

「ベースギターを扱えるとは思えないね。ギターを完全にものにしている自分は想像出来るな。ギターをぶっ壊すところまで見えるぜ。でも歌うことが俺の出来るすべてだ。いつだってヴォーカルが俺のためにあったんだから。もし、あんたが俺みたいに見た目が良ければ、フロントマンやってんだろ?」

リアムのトレードマークである、後ろで手を組む歌い方にはどうやって生まれたのか?

「俺がマイクスタンドを握っていると、ちょっと弱ちいし、ちょっとシンガーみたいだった。ところが、後ろで手を組むとパワーを感じたんだよな。どんな時だって、爆発しそうな気持ちになる」


という、お決まりのインタビューをこなしつつも、結局受賞するところはさすが。他の受賞者リストはこちら。

No. 1 - Liam Gallagher
No. 2 - Freddie Mercury
No. 3 - Dave Gahan
No. 4 - Dave Grohl
No. 5 - Matt Bellamy
No. 6 - Brandon Flowers
No, 7 - Morrissey
No. 8 - Jim Morrison
No. 9 - Kurt Cobain
No. 10 - Alex Turner
No. 11 - Paul Weller
No. 12 - Mick Jagger
No. 13 - Tom Meighan
No. 14 - Eddie Vedder
No. 15 - Joe Strummer
No. 16 - Ian Curtis
No. 17 - Caleb Followill
No. 18 - Ian Brown
No. 19 - Thom Yorke
No. 20 - Chris Martin

このリストを見ると大分偏っているなあとは思います。Xfmは、ロンドンの他にリアムが生まれた地元マンチェスターにも放送局があるということや、今も現役でバンドをやっているなどの利点があるにしても、今後五年の間、もしオアシスがリユニオンしたら十年の間はこの手の投票があったらリアムは史上最高のフロントマンであり続けると思ってしまいます。

まず、この世にロック・スターは数多くいれど、神話性とも言えるカリスマ性を持てるロック・スターは数える程しかいない。それが生きていて、現役でバンド活動をしているとなると、さらに数えるほどになる。同じ時代に同じように生きているという繋がりは、どんな名曲や名アルバムも含めて敵うものではないし。どう考えたって、今生きている人たちの中では、オアシスやビーディ・アイのライブを経験した人たちの方がクイーンのライブを経験した人たちよりも多いだろうし。

加えて、リアムはリアムを決定づけるキラー・チューンとも言える曲があります。そう「ロックン・ロール・スター(Rock 'n' Roll star)」ですね。あれほど分かりやすい形でロック・スターというものを表現したパフォーマンスは他には見当たらない。「今夜、俺はロックン・ロール・スターだ(Tonight I'm a Rock 'n' Roll star)」って曲の中で連発していますからね。もともとはノエル・ギャラガーがロック・スターになった気分を書いたという曲だけれども「本物」のロック・スターであるリアムが歌うことによって、歌詞の中では「In my mind my dreams are real」という想像の中でしか実現しなかった夢を、現実にしてしまった。

ビートルズだって彼らの人気の凄さを表現する際には、空港に何かの事件のように押し集まる人々の群れだったり外的な要素を使いたくなる。でも、リアムの場合には彼が突っ立ったまま、ただ歌う姿を見れば「ああ、これがロック・スター」なんだと一瞬で理解出来る分かり易さが飛び抜けてます。ただ彼の佇まいを見ていれば、これがロック・スターなんだと理解できる。音楽の好き嫌いはあるだろうし、別にオアシスの音楽を好きではない人も大勢いると思うけど、ロック・スターって何?という問いかけにポジティブに答えを出した表現をしたのはリアムが初めてだと思う。まあ、昔はエルヴィスだったんだろうけどさ。

他のロック・スターがロック・スター然していないのかと言うと、そんなことはない。というより「ロック・スター」という概念やイメージよりも個性そのもが強すぎて伝説化してしまっている部分が多い。ボノはボノ以外でなくて「ロック・スター」かと聞かれると、ボノはボノだろ?と思ってしまう。やはりミック・ジャガーミック・ジャガーでしかなくて、ストーンズストーンズという文脈や時間や歴史の中で語るしか言葉を持ちえないように思う。なのでオアシスはちょうど良いのではないのでしょうか。

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Photo credit: nico7martin via Visualhunt / CC BY
Q:この人の職業は? A:「ロック・スター」 しかないでしょ

いずれにせよ、こういうのって言ったもん勝ちで。俺はロック・スターだって言い続けていれば自然とそうなっていくんじゃないかな。だってちょっと想像してみてくださいよ、大勢の人の前で「今夜、俺はロックン・ロール・スターだ(Tonight I'm a Rock 'n' Roll star)」って歌うことを考えたら、それっぽくなろうとするでしょ。それが40人の前で歌うところから始めて、六万人の前で歌うまでリアムはずっとやっていたんですよ。朝起きて「おお、今日も俺は皆の前にでて、『今夜、俺はロックン・ロール・スターだ(Tonight I'm a Rock 'n' Roll star)』って大声で歌うんじゃないか」という事を世界で一番考えたことがある人が、何を隠そうリアム・ギャラガーその人!!

口に出して、言葉にして、人に伝えまくることで、それがいつの間にか常識になってしまうことって多いんじゃないかな?と思います。

なので、自分でも友達や周りの人に、俺はこういうことをするヤツだから、と言いまくって実際にやってみるという人生をやってみてきてます。やってみてきた経験を実際のところで言うと、夢を大きく描かないと小さいところでまとまってしまうので、最も勝負所はどれだけアホになって色々なことを自分の気持ちの中で公平に評価することが出来るか、がポイントです。(ただ小さい夢でも自分が幸せなら、それで良いし、夢を叶えることは凄いことです。夢の大小で人生の優劣は決まりません!!)

ミック・ジャガーローリング・ストーンズを取るか、国税庁に入るか悩んでたの知ってますか?基本的には、無謀に夢を追うこと自体は美徳でも何でもなくて、人生なので大切に生きた方が良いと思います。ただ、国税庁に入るのもロック・バンドをやるのも自分の中で大切だったら他人の言うことは無視して自分と良く相談した方が良いと思います。ミック・ジャガーにはそれが出来たので、今は年金暮らしの国税庁職員OBではなく、歴史に名を残すロック・スターになっています。つまり生まれついての資質で何かが決まるという幻想に騙されないで、自分で人生を生きるのが一番ということです。そうしないと、後々の人生がややこしいものになってしまうので。

う~ん、難しいけど腹をくくって生きてみよう☆
きっと運が味方してくれるようになる。

ともかく、おめでとうリアム!!
Rock 'n' Roll star また聴きたいよ!!